ラクタノ AI編集部
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!中小リフォーム会社のAI活用
はじめに
AIなんて大企業の話でしょ?」
そう思っていませんか?実は逆です。大企業のように専門部署を作れない、でも意思決定は早い——そんな小規模事業者こそ、生成AIの恩恵を受けやすいのです。
2024年、建設業の「人手不足倒産」は342件と過去最多を更新しました。そのうち約3割が建設業です。賃上げ余力の乏しい小規模事業者が中心です。
この記事では、従業員10名以下の中小リフォーム会社に向けて、明日から試せる具体的なAI活用法を、実際の導入事例とともにお伝えします。
中小リフォーム会社を取り巻く現実
人手不足は「危機的」な段階
建設業の人手不足は、もはや「困っている」レベルではありません。
- 就業者数:1997年の685万人→2023年には489万人(約30%減)
- 年齢構成:55歳以上が36%、29歳以下はわずか12%
- 人手不足倒産:2024年は過去最多の342件(建設業が99件でトップ)
2024年4月から始まった時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)も追い打ちをかけています。これまで残業でなんとか回していた現場が、もう回らなくなっている。
「人を増やせばいい」という解決策が通用しない中で、一人ひとりの生産性をどう上げるかが生き残りの鍵になっています。
DXで人手不足を解消できるのか
住宅関連業者420名を対象とした調査では、DX推進の目的として「業務効率化・人手不足の解消」を挙げた回答が84.8%に上りました。そして実際に53.5%が「人手不足解消に貢献した」と回答しています。
AIを含むデジタルツールは、すでに実効性を持ち始めています。
実際の導入事例:小規模だからこそできること
事例1:見積もり作成を「最短1時間」に(介護リフォーム本舗)
株式会社ユニバーサルスペースが展開する「介護リフォーム本舗」は、介護リフォーム専門のフランチャイズチェーンです。加盟店の多くは小規模事業者や個人事業主。
課題:介護リフォームは単価が低く、事務作業(見積もり、図面、申請書類)の負担が大きい。
AI活用:AIアプリFUS II(ファスツー)」を導入。タブレットで現地写真を撮影し、画面上でなぞるだけでAIが寸法を計測・認識。過去3万件以上の施工データに基づき、最適な部材選定と見積もり作成を自動化。
成果:従来、現地調査から見積もり提出・契約まで数日〜数週間かかっていた業務を、最短1時間(その場で完結)に短縮。
事例2:提案資料作成時間を50%削減(田頭建設)
鹿児島県の総合建設会社、株式会社田頭建設の事例です。従業員数は約40名ほどですが、地方の中小企業が汎用的なAIツールで成果を上げた好例です。
活用法:提案書の作成、メール文面の作成、スライド作成の補助にChatGPTを活用。
成果:提案資料作成などのデスクワーク時間を約50%削減。空いた時間を顧客対応や現場管理に充てることで、提案の質も向上。
ポイントは、専門的なIT部門がなくても、既存スタッフへの研修で導入を実現している点です。
事例3:商談分析で営業力を底上げ(郡山塗装)
福島県の塗装・リフォーム会社、郡山塗装の事例です。
活用法:顧客との商談音声を録音し、そのテキストデータをChatGPTに入力。「改善点はどこか」「顧客の潜在ニーズは何か」を分析させる。
成果:営業担当者のスキルアップと成約率向上に寄与。上司がすべての商談に同席できなくても、AIがフィードバックを行う仕組みを構築。
明日から試せる活用法と具体的なプロンプト
1. 商談を「学べる資産」に変える
録音して、文字起こしして、AIに分析させる。この流れを仕組み化すれば、商談の一つひとつが「学びの素材」になります。
必要なもの
- スマホの録音アプリ(ボイスメモなど)
- 文字起こしツール(CLOVA Note、Whisper、Googleの音声入力)
- ChatGPT(無料版でも可)
あなたはベテランのリフォーム営業コンサルタントです。
以下のテキストは、当社の営業担当とお客様のリフォーム商談の文字起こしです。
この内容を分析し、以下の4点についてレポートを作成してください。
1. 【顧客の潜在的ニーズ】: お客様が言葉にしていないが、気にしている懸念点や要望。
2. 【営業の良かった点】: 信頼獲得につながった発言や対応。
3. 【改善すべき点】: 説明不足、専門用語の多用、押し売り感など、成約率を下げる要因。
4. 【次回の提案アクション】: 次回の打ち合わせで提案すべき具体的なプランや資料。
### 商談テキスト
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)⚠️ 注意:顧客名や住所などの個人情報は、「A様」「B市」のように伏せ字にしてからAIに入力してください。
2. リフォーム後のイメージを「その場で」見せる
言葉だけでは伝わらない。でも、パースを外注すれば時間もお金もかかる。
画像生成AIを使えば、その場でイメージを見せられます。
おすすめツール
| ツール | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| [RoomGPT](/glossary/roomgpt) / [Interior AI](/glossary/interior-ai) | 初心者向け。写真をアップしてスタイルを選ぶだけ | 全体イメージの提示 |
| [Adobe Firefly](/glossary/adobe-firefly) | 商用利用OK。部分的な修正が得意 | 壁紙や床だけ変えたい時 |
| [Midjourney](/glossary/midjourney) | 高品質。イメージボード作成に最適 | デザインの方向性決め |
簡単な使い方(RoomGPT等)
商談の場で「こんな雰囲気はいかがですか?」と複数パターン見せる。お客様の好みを確認しながら進められます。
Adobe Fireflyでの部分修正
「この壁をレンガ調にしたい」と言われたら:
既存の家具や構造を残したまま、リフォーム箇所だけをシミュレーションできます。
⚠️ 注意:無料ツールの中には商用利用を禁止しているものがあります。業務利用する場合は、Adobe FireflyやMidjourneyの有料プランなど、商用利用権が含まれるプランを選んでください。
3. 提案資料の下書きを5分で作る
白紙の画面を前にすると手が止まる。でも、構成案があれば話は別です。
プロンプト例
以下の情報を元に、リフォーム提案書の構成案を作成してください。
【お客様情報】
- 築25年の一戸建て、4人家族
- 水回り(キッチン・浴室)の老朽化が気になっている
- 予算は300万円程度
- 「掃除がしやすい」「収納を増やしたい」が要望
【構成案に含めてほしい項目】
- 現状の課題の整理
- 提案内容の概要
- おすすめ設備の特徴
- 概算費用とスケジュールAIが出した構成案をベースに、自社の強みや具体的な商品名を足していく。ゼロから考えるより、はるかに速いです。
導入する前に押さえておくこと
セキュリティは最優先
- 個人情報は入力しない:顧客名、住所、電話番号は匿名化してから
- 無料版の注意点:ChatGPTの無料版は入力内容が学習に使われる可能性あり。機密性の高い情報は有料版(ChatGPT Plus)を検討
AIの出力は「下書き」
AIは間違えます。特に金額や工期に関わる数字は、必ず人間が確認してください。
「AIが言ったから」は、お客様への言い訳にはなりません。
小さく始める
全部やろうとすると、どれも続きません。
おすすめは商談録音の分析から。次の商談を録音して、文字起こしして、ChatGPTに投げてみる。それだけで、AIの可能性が実感できます。
まとめ
中小リフォーム会社にとって、生成AIは「安価で優秀なアシスタント」になり得ます。
- 商談分析で営業力を底上げ
- 画像生成AIでその場でイメージを提示
- 提案資料の自動生成で残業を減らす
月額数千円から導入でき、大規模なシステム投資は不要。まずは無料版から試して、自社の業務フローに合った使い方を見つけてください。
明日から試せること:
「難しそう」は、触ってみれば消えます。まずは一歩、踏み出してみてください。
参考資料
