ラクタノ AI編集部
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みなさん、こんにちは!日々のWebブラウジング、もっと楽になったらいいのにと思ったことはありませんか?
たとえば、「来月の出張、一番安い航空券を探して予約画面まで進めておいて」とか、「競合他社の製品価格を全部リストアップして」なんてお願いを、コーヒーを淹れている間に誰かがやってくれたら最高ですよね。
実は、そんな未来がGoogle Chromeにやってきました。
今回は、Googleが発表した新機能「Auto Browse(オート・ブラウズ)」について、その衝撃的な中身と私たちの仕事や生活への影響をじっくり解説していきます。
ついにブラウザが「手足」を持った!何が起きたのか
Googleは、世界で最も使われているブラウザ「Chrome」に、AIがユーザーに代わって操作を行う機能「Auto Browse」(開発時のコードネームはProject Jarvis)を統合し、一般公開しました。
簡単に言うと、「あなたの代わりにWebサイトを見て、クリックして、入力してくれるAI」がブラウザに住み着いたと思ってください。
これまでのAI(チャットボットなど)は、テキストで質問するとテキストで答えてくれる「優秀な相談相手」でした。しかし、今回のAuto Browseは相談相手の枠を超え、実際にマウスやキーボードを操作する「優秀なアシスタント」へと進化しています。
具体的にできること
この機能の裏側には、Googleの最新AIモデル「Gemini 3(ジェミニ・スリー)」が使われています。このモデルはComputer-Using Agent(CUA)と呼ばれる技術を搭載しており、人間と同じようにパソコンの画面を「見て」、どこをクリックすべきか、何を入力すべきかを理解します。
例えば、こんな指示が可能になります。
- 「Amazonで『ノイズキャンセリングヘッドホン』の評価4以上の商品を安い順に3つカートに入れておいて」
- 「このニュースサイトのトップ記事を3つ要約して、スプレッドシートにまとめて」
これを、Chromeのアドレスバーやサイドパネルに自然な言葉で入力するだけで、AIが目に見えない速さ(あるいは人間のような動き)で次々とページを遷移し、作業を完了させてくれます。
なぜこれが「革命的」なのか?
「えっ、それって前からある自動化ツールと何が違うの?」と思った鋭い方もいるかもしれません。ここで重要なのが、従来の自動化技術との決定的な違いです。
1. 「RPA」との違いは「柔軟性」
これまで企業の業務自動化で活躍してきたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術があります。これは、「Aをクリック→Bを入力→Cを押す」といった手順を厳密にプログラムすることで動くものです。
RPAは「線路の上を走る電車」のようなもので、決まったルートは完璧に走りますが、Webサイトのデザインが少し変わったり、予期せぬポップアップが出たりすると、すぐに脱線(エラー)して止まってしまいます。
一方、今回のAuto Browseは「熟練の秘書」です。サイトのデザインが変わっていても、「あ、これが『購入ボタン』だな」と文脈から判断できます。事前の細かい設定(シナリオ作成)も不要。「いい感じにやっておいて」という曖昧な指示でも、AIがその場で判断してゴールを目指してくれるのです。
2. 「チャット」から「アクション」への転換
生成AIブーム以降、私たちはAIに「文章を書かせる」「画像を生成させる」ことに慣れてきました。しかし、それらはあくまでデジタルデータを作る作業でした。
Auto Browseの登場は、AIが「現実世界のWebサービスを操作する」というフェーズに入ったことを意味します。予約をする、買い物をする、申請を出す。これらは「情報」ではなく「行動」です。インターネット上のあらゆるサービスが、API(システム連携の窓口)を持っていなくても、AI経由で自動操作できるようになるインパクトは計り知れません。
3. 競合との激しい開発競争
実はこの分野、今一番ホットな戦場です。OpenAIも「Operator(オペレーター)」という同様の機能を開発しており、AI企業のAnthropicも「Computer Use(コンピューター・ユース)」という機能を発表しています。
そんな中でGoogleが強いのは、なんといっても「Chromeというブラウザそのものを持っていること」です。専用のアプリを入れる必要なく、いつものブラウザでそのまま使えるという利便性は、普及において圧倒的な強みになるでしょう。
実際に使うには?実用的な視点でチェック
では、実際に私たちがこの機能を使うための条件や、安心して使うための仕組みを見ていきましょう。
利用条件
現在、この機能を利用するにはGoogleの高性能AIプランである「Gemini Advanced」のサブスクリプション(月額約3,000円程度)への加入が必要です。無料版のChromeやGeminiでは、まだこのフル機能は使えません。
使い方(イメージ)
使い方は非常にシンプルになるよう設計されています。
「勝手に買い物されたりしない?」という不安へ
ここで一番心配なのがセキュリティですよね。「AIが勝手に高い商品を決済しちゃったらどうしよう」という不安は当然です。
Googleはこの点に「Human-in-the-loop(ヒューマン・イン・ザ・ループ)」という仕組みで対応しています。これは日本語で言えば「人間参加型」のプロセスです。
AIは情報の検索やカートに入れるところまでは自動で行いますが、「決済ボタンを押す」「個人情報を送信する」といった重要なアクションの直前には、必ず人間に確認を求めます。
「カートに入れました。合計金額は〇〇円です。注文を確定しますか?」とポップアップが出て、人間が「OK」を押さない限り、最終的な実行はされない設計になっています。これなら安心して任せられますよね。
ビジネスにどう活かせるか?経営者・担当者へのヒント
さて、ここからはビジネス視点です。中小企業の経営者や現場のリーダーにとって、この機能は「デジタルな従業員」を雇うようなものです。どう活用すれば元が取れるでしょうか?
1. 面倒な「調査業務」の完全自動化
マーケティングや営業において、リサーチ業務は避けて通れません。
- 競合価格調査: 毎日、競合他社5社のサイトを巡回して価格をExcelに転記する。
- 見込み客リスト作成: 特定の業界ポータルサイトから、条件に合う企業の問い合わせ先をリストアップする。
これまでは若手社員やアルバイトの方が時間をかけて行っていた作業を、Auto Browseに一任できます。人間は集まったデータを見て「戦略を考える」ことに集中できるのです。
2. システム連携の「隙間」を埋める
社内で複数のクラウドサービス(SaaS)を使っていると、「Aというソフトからデータをコピーして、Bというソフトに貼り付ける」という単純作業が発生しがちです。
本来ならAPI連携などのシステム開発が必要ですが、それにはコストがかかります。Auto Browseなら、人間と同じように画面操作でデータを移し替えることができるため、開発コストゼロでシステム間のデータ連携が可能になります。
3. 総務・経理などのバックオフィス業務
備品の購入手配や、交通費の経路検索と運賃確認など、バックオフィスには「判断は簡単だが手間がかかる」Web操作が山ほどあります。
「いつものトイレットペーパーとコーヒー豆、最安値の店で買っておいて」と指示するだけで済むなら、総務担当者の負担は劇的に減るはずです。
導入時のポイント
まずは、社内の業務の中で「Webブラウザを使って行っている定型業務」を洗い出してみてください。その中で「判断がいらない(または少ない)作業」があれば、それがAuto Browseの出番です。
まとめ
Google Chromeに統合された「Auto Browse」について解説しました。ポイントを振り返りましょう。
- 何ができる?: AIがブラウザ操作(クリック、入力など)を代行してくれる。
- 技術の肝: Gemini 3ベースの認識能力で、事前の設定なしに柔軟に動く。
- 安心設計: 重要な操作の前には必ず人間に確認を求める「Human-in-the-loop」を採用。
- ビジネス価値: 調査業務やデータ入力など、Web上の単純作業を劇的に効率化できる。
これまでは「ググる(検索する)」ことがスキルでしたが、これからは「AIに任せる」ことが重要なスキルになります。
月額3,000円程度で、24時間文句も言わずにWeb作業をしてくれるアシスタントが雇えるとすれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるのではないでしょうか。
まずはGemini Advancedで、身近な「面倒くさい」をAIに投げてみるところから始めてみてください。ブラウザが勝手に動いて仕事を片付けてくれる様子は、最初は魔法のように感じるはずです。そしてすぐに、それが当たり前の日常になるでしょう。
